職員の声 平成29年度 新卒職員
リハビリテーション科では新入職員教育制度において、従来の「プリセプター制度」から今年度は新たに「メンター制度」および「臨床指導制度」を導入しています。この新しい教育制度のもと、4月に入職した1年目の職員の職場環境にフォーカスをあて「新卒職員の声」をお届けします。

小林 加奈
言語聴覚士。H29.3月専門学校首都医校・言語聴覚学科卒業。H29.4月入職。素直で真面目とスタッフからも評判。さまざまな外国文化に精通しており、特に韓国語はお手のもの。ピアノが得意。
― 小林さんが杉並リハビリテーション病院に入職されて半年ほど経過しました。少しは慣れましたか?
小林あっという間です(苦笑)。大きなストレスはあまり感じず楽しく勤務させていただいております。患者さまへのリハビリテーションの提供やご家族対応など、任せていただいている範囲もすこしずつ広がってきており、責任を感じると同時にやりがいを感じております。
― 新人さんはどのくらいの単位を提供しているのですか?
小林すでに1日18単位ほど担当しております。
― それはすごい! 頑張っていますね。
― 杉並リハビリテーション病院を就職先に選ばれた理由を教えてください。
小林一昨年にこの病院で開催された「実習相談会」に参加させていただいたのがきっかけです。もともと回復期を就職先に希望していたので、その日のうちに病院を見学させていただきました。
― 「実習相談会」は良かったでしょ? 学生さんには是非参加していただきたい(笑)。
小林そして就職活動を開始した際に、やはりこの病院の印象が残っており、正式に病院見学会に申込みました。その際の科長の丁寧な説明と、言語聴覚士(以下、ST)の主任さんや当時1年目だった先輩のお話を聞くことができ、特に教育制度の充実に魅力を感じました。
― 実際に半年ほど経過して教育の充実を実感していることはありますか?
小林はい。STはトランスファーなど身体的な介助について学校では多少教育をうける程度ですが、実際の現場では必要な知識・技術になります。学生時代の友人も就職後、そこに戸惑っているという話はよく聞きます。でも、当院では入職した初期の段階で理学療法士(以下、PT)や作業療法士(以下、OT)と一緒に徹底的に学ぶことが出来ます。その学びがあったため、その点においては安心して業務に取り組めております。
― さて、その教育体制ですが、今年度より「メンター制度」および「臨床指導制度」を導入しています(図参照)。これはリハビリテーション科の干場科長が考案した新人=メンティをフォローするバックアップ体制です。小林さんの場合、メンターは菅野雄大さん、臨床指導係は若杉麻美主任、この関係を統括するリーダーは野村素子主任 となります。
― まずは菅野さんからメンターの役割について教えてください。
菅野臨床指導係が“師匠”であるならば、メンターは身近な“兄貴分”のような存在です。「教育」という単語で考えると、臨床指導係が「教え」、メンターが「育む」ことであるとその役割を理解しています。
一同おぉ~~!!(どよめき)
野村菅野くん、すごいっ(笑)!
菅野実際の臨床現場での指導や指摘は臨床指導係に任せて、メンターはメンティ(新人)を“承認”してあげることだと考えています。例えば、悩んでいるということを認める、不安に思っていることに共感する、そんなことに徹しています。簡単に言うと「積極的に雑談する」というスタンスです。
小林メンターの菅野さんとお話させていただくと、何が分からないのかが分かったり、何に悩んでいるのかが分かったりして、頭の中が整理されます。わたしたち1年目は“わからないことすらわからない”ケースが結構多く(苦笑)、頭の中が整理されないまま覚えなければいけないことが次々と出てきます。菅野さんに相談することによって頭の中の“交通整理”ができるので、不安や悩みを抱えることなく患者さまと向かい合うことが出来ます。
菅野僕もつい先日までそのような悩みを抱えていたので、よくわかります。メンターの課題は、デシャバリ過ぎて臨床指導係と役割がカブらないことだと思います。「立ち位置」の自覚が必要ですね。
― なるほど。新人がタフだとメンターを必要としない可能性もありますね(笑)。
― では、臨床指導係の若杉主任からその立ち位置や役割を教えてください。
若杉従来の「プリセプター制度」と違い、私の立場は臨床に特化した関係性となります。メンターと分業にしたことにより、臨床に対するアドバイスを明確に出来るようになったといえます。
― ドライな関係になりませんか(笑)?
若杉臨床指導係は、実際に新人が患者さまにリハビリを提供している場面に立ち会いタイムリーにアドバイスしていくことによってその関係を構築していきます。オンタイムのやりとりになりますから、ドライにはなりません(笑)。入職して5ヶ月ほど常に臨床に同席しましたが、現在は経過確認のため週に1日程度同席するスタンスです。ねっ(笑)。
小林はい。同席していただけると心強いです。…ちょっと緊張しますが(笑)。
― 課題は何でしょうか?
若杉1対1の「プリセプター制度」のようにその新人のすべてを把握しているスタッフがいないため、“漏れ”が生じる可能性があります。ですからこの制度でいちばん大事なことはこの図のようにチームをしっかり機能させることです。幸いこの4人の関係では、メンティの小林さんも情報発信をしてくれるので、それぞれの立場で情報をキャッチし、更にそれを共有して対処する機能が確立しています。
― この図でいくと、リーダーとメンティ(新人)は「点線」で結ばれています(苦笑)。そのあたりを野村主任はどのように解釈していますか?
野村やはりどうしてもメンティ(新人)と臨床指導係とのつながりが強くなると思います。リーダーの立ち位置はメンターや臨床指導係から報告を受けてメンティの成長を見守る、といったところです。
― 報告を受ける立場 だと。
野村複数で評価することにより、メンティの強み・弱みが適正に評価出来ます。弱み=不足している能力を開発してあげることが私の立場の理想的な姿になります。
― 私などは総務人事という立場上、就職説明会などで他の病院の話を聞くことや、企業の教育担当の方と話す機会も多いが、ハッキリ言って新入職員の教育体制をここまで構築している病院はない!と断言できる(笑)。 他の病院を経験しているベテランの野村主任からみてどう思いますか?
野村小林さんが冒頭に「ストレスなく勤務できている」と言っていましたよね。ある意味、その発言がすべてをあらわしていて、新人が不安や悩みを抱えずに臨床の場に出ていける有意義なシステムです。導入1年目の制度にはなりますから課題はありますが、これを成熟させていけば実践的なPT、OT、STが育つと強く感じます。
― 小林さん、素晴らしい環境に身をおいていますね(笑)。
小林学生時代の臨床実習などを通じて、セラピストは“怒られながら仕事を覚える”みたいな印象を抱いていました。この病院ではそのようなこともなく安心して臨床に入れるのは、このシステムのおかげだったのですね(笑)。今日、皆さんとお話してよくわかりました。
― では、そんな小林さんが目指す理想的なST像を教えてください。
小林私は「笑顔」をキーワードにしております。私自身、「笑顔」でいることで余裕がうまれ、患者さまに安心感を与えられると考えております。患者さまから「笑顔」を引き出せるSTになりたいです。
― 最後になりますが、現在 就職活動中の学生さんにメッセージをお願いします。
小林回復期というジャンルは、患者さまとじっくり向き合うことになります。そのため、しっかりとした教育体制の当院は、新入職員の職場環境としては理想的だと思います。ただ、感じ方はひとそれぞれだと思いますので、是非、一度 病院見学にお越しください。お待ちしております!
― 皆さん、どうもありがとうございました。(聞き手:総務課・大山)

言語聴覚士。H18年入職。リハビリテーション科主任。若いスタッフを見守るお姉さん的存在。

言語聴覚士。H19年入職。リハビリテーション科主任。 彼女を慕って入職するスタッフも多い。

言語聴覚士。H27年入職。後輩思いの好青年。